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三次元点群を活用した測量

 


三次元点群とは

 

 

三次元点群測量とは、対象となる地形・構造物・施設などを

多数の三次元座標点として取得し、

コンピュータ上に立体的なデータとして再現する測量技術です。

従来の測量では、トータルステーション(TS)やGNSS測量機などを使用して、

必要な地点を選択して個別に測量する方法が一般的でした。

 

これに対して三次元点群測量では、レーザスキャナ等から

対象物にレーザを照射し、レーザが反射して戻ってくるまでの

時間や角度などを利用して、

対象物表面の位置を大量の三次元座標として取得します。

 

取得された点の集合を「点群」と呼び、点群データには、

 

X座標

Y座標

Z座標

反射強度

色彩情報(RGB)

撮影画像との関連情報

 

などを付加できる場合があります。

これにより、地形や構造物を立体的に把握するとともに、

縦断図・横断図・平面図・3Dモデルなど、

目的に応じたさまざまな成果を作成することができます。

 

 

 


SLAMを活用した測量について

 

 

SLAMによる三次元計測では、レーザスキャナだけでなく、

IMU(慣性計測装置)やカメラなどの情報を組み合わせて自己位置を推定します。

 

~ LiDAR ~

レーザを周囲に照射し、対象物までの距離を測定します。

短時間に非常に多くの点を取得できるため、

地形や構造物の形状を三次元的に把握できます。

 

~ IMU ~

加速度や角速度を計測し、機器の姿勢や移動状態を推定します。

歩行中は機器が上下・左右・前後に動くため、

IMUによる姿勢情報が重要になります。

 

~ SLAMアルゴリズム ~

取得したレーザ情報やIMU情報などを解析し、

現在位置を推定しながら周囲の三次元空間を構築します。

この処理によって、歩行しながら連続した点群データを

作成することができます。

 

 


SLAMとUAVレーザ測量の使い分け

 

 

SLAMとUAVレーザは、どちらも三次元点群を取得する技術ですが、

得意とする対象が異なります。

 

 


SLAMとUAVレーザを組み合わせるメリット

 

両者を組み合わせることで、それぞれの弱点を補完することができます。

例えば、山間部の道路や法面を測量する場合、UAVレーザによって広範囲の地形を取得し、

その後、SLAMによって道路施設や擁壁、法面、構造物などを詳細に計測することができます。

 

UAVレーザ=広域・全体把握

SLAM=地上・詳細計測

 

という役割分担が可能です。

さらに、TSやGNSSによる基準点測量を組み合わせることで、

点群全体を適切な座標系に統合し、

測量成果として利用できるデータを構築することができます

 

 


従来の測量との比較

 

従来のTS測量では、測量者が必要な測点を選定して

一点ずつ計測することが基本でした。

一方、レーザ測量では対象範囲を面的・立体的に取得できます。

 

従来測量 → 必要な測点を測る

三次元点群測量 → 空間そのものをデータ化する

 

という違いがあります。

もちろん、点群測量ですべての測量を

置き換えられるわけではありません。

基準点測量や精密な位置決定、細部の測量などでは

TS・GNSS等が必要になる場合があります。

 

 


災害調査への活用

 

SLAMおよびUAVレーザ測量は、災害発生時の現地調査にも有効です。

 

土砂崩壊

法面崩壊

河川氾濫

道路損壊

落石

地すべり

災害土砂の堆積

 

などを三次元的に記録できます。

特にUAVレーザは、人が立ち入ることが危険な場所でも上空から計測できるため、

現地作業員の安全確保という面でも有効です。

また、災害直後の状態を三次元点群として保存しておけば、

復旧後の地形との比較や被災規模の把握にも利用できます。

 

 


測量の際の注意点

 

~ SLAM測量 ~

SLAMは非常に便利な技術ですが、どのような環境でも

同じ精度が得られるわけではありません。

 

長い直線状の廊下

均一な壁面

特徴の少ない空間

反射の少ない対象

激しい振動

急激な機器姿勢変化

GNSSが利用できない広大な空間

 

などでは、位置推定が不安定になる場合があります。

そのため、現地環境を事前に確認し、

適切な計測ルートを設定することが重要です。

また、SLAMは「歩けば自動的に正確な測量が完了する」

というものではありません。

 

 

~ UAVレーザ測量 ~

UAVレーザ測量では、飛行条件がデータ品質に大きく影響します。

 

飛行高度

飛行速度

飛行ルート

レーザ照射密度

UAVの姿勢

GNSS受信状況

IMUの状態

天候

植生

 

などを考慮する必要があります。

また、UAVを使用するため、航空法その他の

関係法令・安全基準を遵守した飛行計画が必要です。

 

飛行前には周辺環境を確認し、第三者や建物、電線、樹木等との

安全な離隔を確保するなど、安全管理を徹底する必要があります。